風
淀みとどまるところに在らず、
流れ巡りゆくものと、ともに生きていたい。
この世のあらゆるものが、そのようにして在ることを、
わたしたちは生まれたときから知っている。
世間に哀しい知らせが蔓延る。
苦しみや憤りが生み出されては、延々と流れてくる。
それでもまた、それらも延々と流れてゆく。
終わりからはじまり、
姿かたちを変えては、また巡り還ってゆく。
風を感じていることが好きだ。
生きとし生けるものたちと
感じ合って生きていたい。
いっしょに陽を浴びて
いっしょの風にあたるものを見つめていると、
あぁ、ふしぎね、
やさしいやさしい気持ちになる。