~環境を知ることと、免疫機能の肯定視 ―アトピー性皮膚炎③― ~

 『アレルギーとは、本来反応せずともよいものにまで過剰反応する、
免疫機能の異常によって起こされる』
というのが、一般的見解でしょう。
 
しかしここ止まりの理解では「なぜ免疫機能の異常が起きるのか」が分かりません。
 
遺伝?体質だから?
ストレスで余計酷くなるような?性格・氣質にも因る?
 
「良く分からないが、このカラダは非常に過敏で、厄介で、
酷い時期には日常生活がままならないんだ。薬で抑えるほかないよ。」
「免疫機能が狂ってるらしいんだよ、これは大人になったら治らないんだ。」
・・この様に感じている方々は五万といることでしょう。
 
 
何せ、医療界でのアトピー性皮膚炎に対する認識が
『多岐にわたるアレルゲンを完全に取り除くことはほぼ不可能なのだから、
遺伝子治療でも行わない限り完治しない。』
『完治させようという完璧主義が間違いのもとである。』
『①ステロイド②抗アレルギー剤③スキンケア で症状をコントロールすることをゴールとして欲しい』
『皮膚科医レベルでは議論が収束している』
<読売新聞「医療ルネッサンス」より抜粋要約>
 
・・などといった具合なので、
長年アトピーに苦しむ人からすれば、それはまるで
「もともとカラダが悪いのだから、治すなど考えずにうまく一生付き合いなさい。」
と言われているかのようです。
 
 
「なぜ免疫機能の異常が起きるのか」はなおざりにされたまま、
手も足も出なくなると遺伝子治療へお任せするのは癌などと同じです。
アトピー性皮膚炎は死に至る確立が少ない為、正式な難病指定はされておりませんが、
医学界でもアトピーに対し、”治らない・・つまり難病である”という認識があります。
 
 
さて、
「なぜ免疫機能の異常が起きるのか」が一向に見えて来きません。
にっちもさっちもいかなくなったら、何でもまずは見方を変えてみたい。
 
 
【免疫機能が正常だとしたら、この症状はどう捉えられるだろう】と。
 
 
『免疫の肯定視』が”正しいか間違っているか”はとりあえず置いておきましょう。
「〇〇先生がこう言っていたから」「あの人から実体験を教わったから」・・と、
物事にすぐ白黒の判断をつけてしまうこともまた、
世の中の難病を難病たらしめている要因の一つように感じているからです。
 
しかし、免疫の肯定視、
これにより今まで見えていなかった世界が見えてくる可能性は充分にあると感じます。
 
 
 
********************************************
  
前回の投稿では非常に大まかなまとめ話をしました。
本当に苦しんでいる方々が、あのような投稿で”本当に”腑に落ちるとは、
正直なところあまり思えておりません。^^;
 
【アトピー性皮膚炎を”有り難い体質”と「本当に想える」ようになる】までに、
欠かせなかったことの一つは「環境を知ること」でした・・と前回書きました。
今回はこの部分から、もう少し深掘りをして「アトピー性皮膚炎の体質」のお話をしたいと思います。
 
 
さて、ここで言う「環境を”知ること”」とは
ただ「現在を確認する」ということで、それ以上でも以下でもありません。
恐れも不安も要りませんし、善し悪しをつける必要もありません。
知らないままでは、わたし達は「今」を見失ったままです。
この作業が非常に大切なことと思います。 
 
医学の進歩にも関わらず、アレルギーを含めた”現代病”は年々増加し重症化しています。
文明の発展による環境の変化に、”現代病”の大きな要因があると考えるのは自然でしょう。
中でも近代文明の中核をなしてきたのは「石油文明」です。
 
アトピーの人の免疫反応が正常ならば、その症状とは一体どう捉えられるのか・・。
ここで少しばかり「石油製品」への依存環境に注目し、 
わたし達の日常に当然としてある化学物質をほんの一部だけ取り上げてみることにします。
  
 
[以下、***から***まではザッと読み流して頂いても構いません。^^]
 
***********************************
 
【衣】
◆化学繊維・・合成繊維(ポリエステル・アクリル・ナイロンなど)、再生繊維(レーヨンなど)
総合して保温性が高いですが、吸湿性が低いので汗でムレやすいです。静電気が起きやすいです。
例えばポリエステルは乾きやすく、虫やカビの被害もほぼ受けません。シワや型崩れもないために、非常に扱いやすい繊維とされています。
吸湿発熱繊維(ヒートテックなど)により痒みや湿疹が出る・・という声が多いのは、肌の水分を吸収して発熱をするので乾燥してしまうからです。
そもそも冬は乾燥時期ですし、アトピー肌で特にステロイド剤により皮膚が弱くなっている人はうまく汗がかけませんので、痒みや不快感が増す場合が多分にあります。
 
◆コットン100パーセントの場合の可能性・・
・綿の栽培時:農薬、化学肥料、防虫剤、除草剤、枯葉剤など
・衣類の製造・加工時:化学糊、漂白剤、化学染料、防腐加工剤、柔軟剤など
使用前に一度洗濯すると使い心地が変わるのは、化学糊などが落ちるからでしょうか。
 
◆洗濯後に衣類に残った洗剤、柔軟剤、漂白剤・・
製品によるでしょうが、これも感じる人はもの凄い感じますので、少なからず残っているということでしょう。
 
◆その他・・形状記憶シャツのホルムアルデヒド。
白い衣類やタオルなどに使われる蛍光増白剤(発がん性物質だそうです)。
 
◆ナプキンやオムツ・・文明の利器。薄くても洩れない、蒸れないなど、化学薬品を駆使した便利な商品が多数あります。
 
『経皮毒』という言葉が広まってきているようです。
皮膚から体外の物質を吸収するという考えですね。
吸収力は「腕の内側を1とすると、生殖器粘膜はその42倍」と言われています。
一方で、この考えは『真っ赤な嘘』という主張も数多く存在します。
 
いずれにしても、
化学物質を避ける生活を試してみることで、そこには必ず確認できる何かがあるものと思います。
 
 
【食】
◆食品添加物・・日本でも古くから使用されている既存添加物(天然)が365種類、そして指定添加物(合成)が438種類とあるそうです。
後者はいわゆる合成化学物質ですが、「一生、毎日摂取しても身体に一切の影響がない」という基準でその量が決められているわけなのですね。
 
さてこの規定ですが、
これだけの種類のある物質たちが、その量や種類の取り込み方によって人体でどのように化学反応を起こすか・・についてはクエッションです。
そして人間ひとりひとりの體が、先天的なものや年齢・環境によっても状態を異にするところに関して、「身体に一切の影響がない」とはどう捉えればよいものかもクエッションです。
  
そしてまた、食品からだけではないあらゆる化学物質の取り込みも考慮して、人体の許容量を超える可能性も容易に想像できる・・というのが現状ではないでしょうか。
 
(また「アミノ酸等」「乳化剤」などの一括表示が増えたのはなぜか。)
 
 
◆農業・・農薬、化学肥料、除草剤
 
◆畜産・養殖漁業・・抗生物質、成長ホルモン。
例えば抗生物質は病氣の時に投与するだけでなく、成長促進剤の中にも含まれます。
少量ですが飼料にも含まれます。これらの残留が非常に問題視されています。
また彼らの排泄物は有機肥料となります。
 
この抗生物質がいったい何をするのかと言うと・・必ず「耐性菌」を発生させるというのです。
要は、細菌の薬物耐性が出来るために、どうぶつ達が病気になっても薬が効かないということです。
この耐性菌のどうぶつ達、畑、野菜・・あらゆる場所へ広まりと、重篤な感染症(敗血症など)患者の増加との結びつきも、各国で科学的な調査結果が出ています。
 
成長ホルモンは強力な発がん性物質。神経系への影響。
最近は遺伝子組み換え技術とも合わさって・・安全危険の話ではないステージのようです。
 
(誰の為の、何の為の抗生物質であり成長ホルモンか。)  
 
 
◆水道水・・塩素、鉛、硝酸化窒素、農薬、また塩素殺菌の過程で発生するトリハロメタン(発がん性物質)など。
水道水の塩素濃度(残留塩素)は0.1ppm以上が基準です、上限はありません。
しかし現在、残留塩素が0.5ppm~1.5ppmという測定結果が出ています。
プール(0.4ppm~1ppm)と同じかそれ以上ということになります。
 
・・ここでは細かいお話はさておき、多くの重度アトピーの方々は痛感していることでしょう。
水道水は本当に刺激が強い。そして乾燥しやすい。
わたしからすれば、山の湧水との違いは驚くほどに明らかです。
皆さんはいかがでしょう。
  
 
【住】
◆住宅建築・・どこから見ても多くの近代住宅は化学物質漬けなのですが、割と忘れられがちのように感じます。
シックハウス症候群などの症状が顕著に現れなくとも、目には見えない合成化学物質に囲まれて暮らしています。
大量に使用される化学接着剤、一般に「クロス」と親しまれる塩化ビニールクロスなど。
これらもみな技術開発が進み、ホルムアルデヒドの発生が少量に抑えられるなど「安全性が非常に高くなった」と言われています。
  
採血による簡単な検査はダニ・カビ・ハウスダストなどに留まるため、化学物質による反応は容易には調べられません。
またこのような資材による通気性の変化も、高層化・密集化と相まって大いにあるでしょう。
 
例えば、天然木材、伝統漆喰などで作られた建物に身を浸したときに心身で感じるもの。
それを一時の安らぎ体験として流さずに、
「今」という環境を確認させてくれる大切な體の声と捉えたなら、どのようでしょうか。
 
 
◆防虫剤・殺虫剤・芳香剤・・挙げたらキリがないですね。防炎加工などのカーテンやカーペットも話題になります。
事実悩まれる方々がいて、それらを取り除いて改善された・・という声が存在するわけですので、
揮発性の化学物質が日常に数多くあるということなのでしょう。
 
 
【その他】
・洗剤(シャンプー・リンス・ボディーソープ・食器用洗剤・清掃用品など)
・化粧品・コスメ・ハンドクリーム・リップクリームなど
・フッ素加工のフライパン・歯磨き粉など
・抗菌グッズ
・ラップ・タッパー・ペットボトルなどのプラスチック用品
・煙草の煙・残渣
・新車(住宅と同様)
・大気汚染(排気ガス、農薬、花粉が運んでくる化学物質など)
・電磁波
・薬(科学薬品)
・ワクチン(有害化学物質・重金属類など)   など
 
 
***********************************
  
・・・眠たくなると思うので(笑)このくらいにしますね。
(あえて、放射能汚染・遺伝子組み換え食品などには触れていません。)
 
 
わたし達は今、石油製品なしの生活など到底考えられません。
あまりに”当たり前”なことでしょうが、このような「文明社会」だという認識はとても大切です。
 
そして同時に、
重度の「化学物質過敏症」という非常に深刻な症状を抱える人々が、民族・人種を超えて世界中で増加している「今」を、
知っている必要があるでしょう。
極少量の化学物質で神経系への強い影響を及ぼすこの”文明過敏症”は、個人にはもちろんのこと、社会にも多大な影響を及ぼしているとして問題視されています。 
日本でも発症者数が100万人を優に超えているとも言われています。
 
『未だ疾患概念がはっきりしていない』為に診断すらも難しいという化学物質過敏症(神経系)と、
『”原因が特定できない””掴みどころのない”』アトピー性皮膚炎(アレルギー)(免疫系)との関連性についても、
いずれ少しばかりの私的見解をまとめてみたいものです。(実現するだろうか・・。)
 
 
 
さて、
アレルギーもまた化学物質過敏症と大きく違えず、
「人体の持つ許容量を遥かに超える量の化学物質への暴露」が一つの大きな要因であると考えた時、
【體の反応は正常である】とするならば、”症状”とは一体どのような反応と言えるでしょう?
 
それは非常に純粋な防衛反応であり、環境や生活習慣から受けた影響によって、體が異常状態であることを伝えている声、
と捉えることが出来ます。
 
 
アレルギー体質とは病的なのでしょうか?
誰もがほぼ変わらぬ環境下で生活をしている以上、有害物質の暴露量に大差はありません。
 
忘れてはならないこと、現代の多くの病は【血液の汚れ】に原因があります。
癌やその他の生活習慣病など、命にかかわる症状が表れて初めて自覚をするよりも前に、
アレルギー体質の人たちは”軽症”で警告をもらうことが出来るのです。
これはとても、有り難い体質とは言えないでしょうか。
 
皮膚ではなく鼻に出る場合はアレルギー性鼻炎。
目に出ればアレルギー性結膜炎です。
花粉症も”花粉”自体に反応しているのではない、との認識が広まっていますが、同じことでしょう。
また気管支に出れば喘息となります。
 
 
例えば、 
化学物質過敏症、という病名があるのならば、
化学物質鈍感症、という病名があってもよいのかもしれません。
 
要するに、
どちらにしても、自分の体質に感謝して生きるほうがうんと楽で幸せだと思うわけです。
自分の體を恨めしく想うことがあるでしょうか。
 
自分の體で生きてゆく自分の人生です。
アトピー(アレルギー)体質を病ととるか、
異常状態を軽度のうちにお知らせしてくれる有り難い體ととるのか。
 
決めるのは、社会でも医者でも親でもなく、
わたし達一人一人、體の唯一の主であってよいはずです。
 
 
 
 
書き切れないことが山ほどありますが、
「今の環境を知ること」と「免疫の肯定視」により、
アトピー(アレルギー)体質であることや、症状に対する見方が変わってゆくことを願っています。
 
一つ氣をつけたいのは、
自分の体質や症状は悪くないのだ・・と考えながら、
”環境”の中にたくさんの「悪」を見出さない、ということです。
心身と環境の現在地を知ることに”善し悪し”は要りません。
 
あとは目的地を目指して、1という前進を100積み重ねるかの様に、
小さな改善を一つ一つ重ねてゆくだけです。
ともに歩みましょうね。  
 
長文お読みいただきまして、ありがとうございました。^^

2016-04-07 | Posted in 健康コラムNo Comments » 

関連記事